コラム

トップメッセージが企業広告の新トレンドに、今こそ「直接語りかける」が重要

グローバル

コロナ禍で社会・経済が「ニューノーマル(新常態)」に向かうなか、顧客や従業員、投資家が企業に求めるコミュニケーションの形が変わりつつあります。企業広告では、トップが自らの意思や決意を直接伝え、企業が「一人称」となってメッセージを発する手法が新たなトレンドになってきました。誰もが感じている困難や不安を受け止め、どのような戦略でこの状況に立ち向かおうとするかを広く示すことは、ステークホルダーからの信頼獲得にもつながります。今回はトップによるメッセージ型広告で実際にどんなメッセージが有効なのか、具体的な事例を交えてご紹介します。

発信の重要性はコロナ以前も

日本企業のグローバル化が進む過程で、メッセージを発信することの重要性はコロナ禍以前からも指摘されてきました。日本では少子高齢化で労働力不足が深刻となり、それを解消するために企業は外国人従業員を積極的に採用するようになりました。厚生労働省によると2019年度の外国人労働者の数は166万人と、10年前に比べて2.5倍に増加。日本の証券取引においても、2019年度のすべての売買金額のうち7割を海外投資家が占めます。こうした多国籍化・多様化するステークホルダーに対し、企業がどんな経営理念・価値観でどのように成長戦略を描くのかを丁寧に説明することは、グローバル時代に欠かせない要素になっています。

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ステークホルダーとの距離に変化

このパンデミックの状況はさらにトップメッセージの重要性を加速させました。例えば感染防止のため一気に広がったソーシャルディスタンス(社会的距離)の概念。多くの企業が在宅勤務を取り入れ、デスクワーカーはオンラインリモートワークを開始しました。しかし、それによって従業員や顧客といったステークホルダーと物理的距離が広がり、企業はこれまでのような直接型コミュニケーションを取ることが難しくなっています。同じ空間、同じ時間を共有しなくなったことで求心力が弱まった、組織のパフォーマンスが落ちたと感じている経営者も多いのではないでしょうか。

トヨタは社長が直筆で

そこで注目が高まっているのが「トップメッセージの力」です。実際、全国の緊急事態宣言が解除された1か月後の6月27日、トヨタ自動車は、豊田章男社長が直筆で「ありがとうございます。今日もまたかけがえのない一日でありますように。」と記した1面広告を全国の新聞に掲載しました。トヨタトップがこうした広告にメッセージを寄せることは珍しく、顧客ひとりひとりを第一に考える社長の信念、トヨタの姿勢をあらためてしっかり伝えたいとの思いがあったそうです。

広告トレンドに詳しい日経広告研究所はこうしたトップメッセージ広告について「新たなタイプの“広報的な広告”」と分析しています。情報が氾濫する時代において、企業が一人称になって意思や約束、意見を表明することでステークホルダーの不安を取り除き、信頼感を一段と高める。これがトップメッセージ広告の大きな効果です。

先の見えない時代だからこそ、あらゆるステークホルダーは少なからず不安を抱えています。彼らの心にメッセージを響かせることができるのが企業トップの言葉の力です。そしてそれは、経営トップが今こそ取り組まなければならない大切な役割の一つともいえるでしょう。

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